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2025年9月29日
撥水性塗料と親水性塗料の使い分け
外壁塗装において「撥水性」や「親水性」といった塗料の性質を耳にしたことはありませんか?どちらも水を扱う性能でありながら、実は正反対の機能を持っており、それぞれ適した場所や目的があります。
今回は、撥水塗料と親水性塗料の違いと特性、使い分けの基準、そしてそれぞれが活躍するシーンについて解説していきます。

そもそも「撥水性」「親水性」ってなに?
・撥水性とは?
撥水性とは、水を弾く性質のことです。水滴が表面に丸くなり、コロコロと転がるイメージです。よくある例が「傘の防水加工」です。
・親水性とは?
一方で親水性とは、水をなじませて広げる性質のことです。水滴が表面に広がって薄く広がるようになります。つまり、水が”染み込む”わけではなく、”馴染む”性質です。
撥水性塗料の特徴とメリット・デメリット

【特徴】
撥水塗料は、塗膜表面に強い水弾き性能を持たせた塗料です。雨が降った際、水滴が壁に残りにくく、サッと流れ落ちます。
【メリット】
・壁面が濡れにくいため、カビ・苔の発生を抑制できる
・雨水が染み込まないので、外壁材の劣化が遅れる
・水弾きが強く、汚れも付きにくい印象がある
【デメリット】
・水滴が転がる際に汚れを引きずってスジ状に残ることがある(雨だれ)
・撥水効果が徐々に低下すると、部分的に汚れが目立つ
・防水性が高い反面、通気性が低くなる可能性があるため、木造住宅では注意が必要
親水性塗料のメリット・デメリット

【特徴】
親水性塗料は、水を弾くのではなく、表面になじませて薄く広げることで、雨水と一緒に汚れを流してしまう仕組みです。これを「セルフクリーニング効果」とも呼びます。
【メリット】
・汚れの下に雨水が入り込みやすく、雨が降るだけで自然と汚れが落ちる
・雨だれができにくく、外観が長期間キレイに保てる
・通気性の高いタイプもあり、建材を呼吸させやすい
【デメリット】
・撥水性と比べて、濡れたような外観になる(ツヤ感を求める人には不向き)
・雨が少ない地域ではセルフクリーニング効果が弱くなる
・塗膜に細かい傷がつくと、その部分だけ親水性が低下しムラが出ることもあります。
「撥水」と「親水」どう使い分けるべき?
ここが一番大事なポイントです。見た目や耐久性だけでなく、家の立地や構造、気候なども判断材料になります。

たとえば、都市部の角地で車の排気ガスが気になる家には親水性塗料のほうが適しており、逆に山間部でカビや苔の心配がある家には撥水塗料のほうが機能的に向いています。
外壁塗装でよくある誤解と失敗例
● 撥水塗料なのに汚れが落ちない?
撥水塗料は水を弾く性能はあっても、「汚れを落とす性能」は限定的です。逆に水を弾くことで汚れが壁面に残ってしまうケースもあります。
● 親水性塗料でも汚れが落ちない?
親水性塗料は雨で流す前提なので、風が吹き込まない場所(軒下やベランダ奥)では効果が発揮されづらいとされています。
まとめ

撥水塗料と親水性塗料は、どちらが「優れている」という話ではなく、
・見た目やツヤを重視したいなら撥水塗料
・汚れにくさやメンテナンスの楽さを求めるなら親水性塗料
という風に、用途と目的に応じて選ぶべきものです。
また、単に「高い塗料がいい」ではなく、家の状態・立地・過去の施工歴などを塗装業者に伝えて、最適な選択をサポートしてもらいましょう。
カテゴリ:塗装工事































