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2025年9月25日
シーリング材の劣化と再充填のタイミング
外壁塗装と聞くと、まず思い浮かぶのは壁面の色や塗料の耐久性でしょう。しかし、住宅の外装で非常に重要な役割を担っているのが「シーリング材」です。
サイディングボードの目地や、窓枠の周囲などに充填されているこのゴムのような素材は、雨水の侵入を防ぎ、建物の揺れや伸縮にも追従して家を守る防波堤となっています。
今回は、そんなシーリング材の劣化のサインと、再充填(打ち替え・増し打ち)の最適なタイミングについて詳しく解説します。

シーリング材はなぜ劣化するのか
①紫外線による劣化

シーリング材は、365日外気にさらされているため、紫外線によって硬化・収縮していきます。
特に南面や西面など、直射日光が強く当たる場所は劣化が早く進行します。
雨風や気温差によるダメージ

雨水や風による摩耗、また昼夜や季節ごとの気温差による膨張と収縮の繰り返しで、シーリング材には大きなストレスがかかります。
経年劣化による成分の分離
多くのシーリング材には、可塑剤(かそざい)という柔軟性を保つ成分が含まれていますが、経年によりこの成分が揮発・分離してしまうことで、弾力を失い、硬化やひび割れが発生します。
劣化のサインを見逃すな!チェックポイント
以下のような症状が見られたら、シーリングの再施工が必要なサインです。

✅ひび割れ(クラック):表面や内部に細かい亀裂が入っている状態。雨水の浸入が始まっている可能性あり。
✅剥離(はくり):シーリング材が外壁材から剥がれ、隙間ができている状態。
✅破断(はだん):シーリング材が縦に裂け、完全に分断されている状態。特に危険。
✅硬化・弾力性の喪失:押してもへこまない、カチカチになっている場合、素材の寿命が来ています。
✅可塑剤のにじみ(ブリード現象):黒ずみや油染みのような汚れが出る場合、塗料との相性不良も考えられます。
これらの症状は外壁塗装よりも先に起こることが多いため、定期的なチェックが重要です。
シーリングの再充填、最適なタイミングは?
一般的な寿命は「7〜10年」
使用されているシーリング材の種類や立地条件にもよりますが、シーリングの耐用年数は7〜10年程度が一般的です。外壁の塗装が10〜15年スパンであることを考えると、シーリングだけ先に劣化が始まっているケースも多く見られます。
塗装と同時の再塗装がベスト

効率や費用対効果を考えると、外壁塗装と同時にシーリングも打ち替えるのが最も合理的です。
足場を組む費用が共通で済むため、別々に工事するよりもコストを抑えることができます。
「打ち替え」と「打ち増し」の違いとは?
シーリングの再充填方法には「打ち替え」と「打ち増し」の2種類があります。そのちがいとは何でしょうか?
【打ち替え】
劣化した古いシーリングを完全に撤去し、新たに充填し直す方法。
→ 原則として、目地部分は打ち替えが基本です。
【増し打ち】
既存のシーリングの上に新しいシーリング材を重ねる施工方法。
→ 窓枠周りや一部施工箇所で使用されますが、あくまで応急処置的な位置付けです。
シーリング工事を怠るとどうなる?

シーリング材が劣化した状態を放置すると、以下のようなリスクが発生します。
・雨水の浸入 → 壁内部の木材が腐食し、シロアリやカビの原因になります。
・断熱性・気密性の低下 → 室内の冷暖房効率が悪化。
・外壁材の膨れ・浮き・剥離 → 外壁塗装の寿命が短くなる。
・構造体の劣化 → 修繕費が塗装費の何倍にも膨れ上がる可能性。
家の外観だけでなく、構造や住環境全体に悪影響を及ぼす恐れがあるのです。
📌まとめ
シーリング材は一般的に7〜10年程度で寿命を迎えるため、定期的な点検と適切なメンテナンスが欠かせません。
特に、ひび割れや剥離といった劣化のサインを見逃すと、雨水の侵入などによって建物内部に深刻なダメージを与える恐れがあります。
築10年前後、または前回の塗装から7年以上が経過している場合は、外壁塗装業者に点検を依頼し、現状をしっかりチェックしてもらうようにしましょう。
カテゴリ:外壁































